古事記研究 【5】

第1章 天地の始まりから須佐之男の命の追放

 1.天地の始まり  6.天照大御神と須佐之男の命

 2.伊耶那岐の命と伊耶那美の命  7.誓約

 3.伊耶那美の命の死と火神への制裁  8.天の岩戸

 4.黄泉の国  9.五つの穀物誕生

 5.伊耶那岐の命の禊 10.八俣の大蛇退治
目次第1章第2章第3章第4章◆古事記「上つ巻」に登場する神々(五十音順)


第1章 天地の始まりから須佐之男の命の追放

5.伊耶那岐の命の禊

黄泉の国から脱出した伊耶那岐の命は、「私は醜く汚いところへ行ってしまった。私の全身は汚れ、眼も汚れてしまった。全身を洗い清め、禊をしよう」と言われ、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で、禊をされ、その時たくさんの神々を造られました。最後に生まれた天照大御神、月読の命、建速須佐之男の命は、三貴子(みはしらのうづのみこと、別の読み方:さんきし)と言います。


伊耶那岐の命は、三貴子の誕生を大変よろこばれ、すぐに自分の首にかけていた首飾りの玉をゆらゆらと揺らして、天照大御神にお与えになり、「天照大御神、おまえは高天原を治めなさい」と言いました。次に、月読の命に「おまえは夜の世界を治めなさい」、建速須佐之男の命には「おまえは、海原を治めなさい」と言われました。


【追:この時の伊耶那岐の命のなされた禊が、「小戸(おど)の神技」です。】


◆伊耶那岐の命が黄泉の国の穢れを禊いだ時に生まれた神

◎身につけていたものからお生まれになった十二神
 ・衝立船戸(つきたつふなと)の神
 ・道之長乳歯(みちのながちは)の神
 ・時量師(ときはかし)の神
 ・和豆良比能宇斯(わづらひのうし)の神
 ・道俣(ちまた)の神
 ・飽咋之宇斯(あきぐひのうし)の神
 ・奥疎(おきざかる)の神
 ・奥津那芸佐毘古(おきつなぎさびこ)の神
 ・奥津甲斐弁羅(おきつかひべら)の神
 ・辺疎(へざかる)の神
 ・辺津那芸佐毘古(へつなぎさびこ)の神
 ・辺津甲斐弁羅(へつかひべら)の神
◎身についた垢から生まれた禍の神
 ・八十禍津日(やそまがつひ)の神
 ・大禍津日(おおまがつひ)の神
◎禍の悪神を正す神
 ・神直毘(かむなほび)の神
 ・大直毘(おおなほび)の神
◎神直毘(かむなほび)の神と大直毘(おほなほび)
 の神に仕える巫女
 ・伊豆能売(いづのめ)
◎水底で洗った時に生まれた神
 ・底津綿津見(そこつわたつみ)の神
 ・底筒之男(そこつつのを)の命
◎水の中で洗った時に生まれた神
 ・中津綿津見(なかつわたつみ)の神
 ・中筒之男(なかつつのを)の命
◎水面で洗った時に生まれた神
 ・上津綿津見(うはつわたつみ)の神
 ・上筒之男(うはつつのを)の命
◎左の目を洗った時に生まれた神
 ・天照大御神(あまてらすおほみかみ)
◎右目を洗った時に生まれた神
 ・月読(つくよみ)の命
◎鼻を洗った時に生まれた神
 ・建速須佐之男(たけはやすさのを)の命

<投げ捨てた杖から生まれる>
<投げ捨てた帯から生まれる>
<投げ捨てた袋から生まれる>
<投げ捨てた衣から生まれる>
<投げ捨てた褌から生まれる>
<投げ捨てた冠から生まれる>
<投げ捨てた左手の腕輪から生まれる>
<同上>
<同上>
<投げ捨てた右手の腕輪から生まれる>
<同上>
<同上>


★ 道 歌 ★

・気の御わざ赤白魂やますみ玉合気の道は小戸の神技
・たたえてもたたえ尽せぬさむはらの合気の道は小戸の神技
・ふとまにと神習ひゆくみそぎ業神の立てたる合気なりけり
・かんながら赤白玉やますみ玉合気の道は小戸の神技



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