古事記研究 (7)
6. 天照大御神と須佐之男の命
天照大御神と月読の命は、それぞれ委任された言葉どおりに治めている中で、須佐之男の命だけは命じられた国を治めないで、長い髭が胸元に伸びるまで泣きわめいていた。
その泣くありさまは、青山が枯れ山になるまで泣き枯らし、川や海をすっかり乾かしてしまいました。 このために、悪い神の出す物音は、蝿が騒ぐみたいになり、あらゆる物の災いがことごとく起こりました。
そこで、伊耶那岐の命は、須佐之男の命に「どういうわけでお前は命じられた国を治めないで、ずっと泣きわめいているのだ。」問われました。
須佐之男の命は「おれは母上に会いに、黄泉の国へ行きたいのです。」と答えました。 それを聞いた伊耶那岐の命は、大変お怒りになり「それならお前はもうこの国住んではならん。」と言われ、須佐之男の命を追放されました。
須佐之男の命は「黄泉の国へ行く前に、天照大御神の姉さんに挨拶していこう」と天に上る時、山や川がことごとく鳴り騒ぎ、天が震動したので、 天照大御神は驚いて「私の弟が上ってくるのは、良い心ではないだろう。 もしかしたらこの国を奪いに来るのかもしれない」と思い、男装して待ち構え「なぜ上ってきたのだ?」と問いただしました。
須佐之男の命は「おれには汚い心はありません。ただ父上が『なぜ泣きわめくのか』と聞かれたので、おれは『母上の国に行きたいと思って泣いているのです。』と申し上げたら、 父上は『それなら、お前はもうこの国に住んではならない。』と仰せられ追い払われたのです。 母上の国に行こうという事情を姉上に申し上げようと思い参上しました。謀反の心などありません。」
天照大御神は「お前の心の潔白を証明してみなさい。」と言われました。須佐之男の命は「お互いに誓約(うけい)をして子を生みましょう」と答えられました。