合気道 八千代円明会|古事記研究 (8)

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古事記研究 (8)

7. 誓約(うけひ)

天照大御神は、まず須佐之男の命の十拳の剣を受け取るとすぐに、三片に打ち折って息を吹きかけ、三柱の女性の神をお生みになりました。

須佐之男の命が、天照大御神の左の髪に巻かれた大きな勾玉のたくさんついている珠の緒を貰い受けて、噛みに噛んで息を吹きかけますと、
正勝吾勝勝速日天之忍穂耳(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみ)の命をはじめ、次々と計五柱の男性の神をお生みになりました。

天照大御神は、須佐之男の命に「五柱の男の子は、わたしの玉から生まれたのだから当然わたしの子です。
先に生まれた三柱の女子は、お前の剣から生まれたのだからお前の子です」と言いました。

そこで須佐之男の命は天照大御神に「おれの心は潔白です。おれが生んだ子は女の子でした。当然おれの勝ちだ」と言いました。

須佐之男の命は、勝ちに乗じて天照大御神の田の畔を壊して溝を埋め、また新穀を召しあがる御殿に糞をしてしまいます。
しかし天照大御神は、そんな乱暴をした須佐之男の命をとがめず、むしろかばっていました。

須佐之男の命の乱暴はひどくなる一方でした。ある時、天照大御神が機織場で神に奉る衣を織っておられる時に、須佐之男の命は、
その機織場の屋根に穴をあけ、天の斑馬の皮を剥いで落とし入れるといういたずらをしました。
そのせいで、ちょうどそこにいた天の機織女が死んでしまいました。


【追記】

  • 「誓約(うけひ)」とは、互いの心の潔白を証明するために行う神聖な儀式です。
    本来「誓約」は、条件を提示して行うのがルールです。例えば「私が女の子を生んだら私の勝ち」などですが、ここではその条件が明示されていません。
    古代では、男の子が生まれたら勝ちとする考え方も多かったようです。 また、「自分が生んだから」なのか「自分の所有物から生まれたから」なのかという前提条件も、ここでははっきり示されていません。
  • 正勝吾勝勝速日天之忍穂耳の命の「正勝吾勝勝速日」は神を讃える言葉です。
    「正勝(まさかつ)」は屈せぬこと、「吾勝(あかつ)」は撓まぬこと、「勝速日(かちはやひ)」は勝利・栄光を意味します。

【追記】道 歌

  • 正勝吾勝御親心(おおみごころ)に合気してすくい活かすはおのが身魂(みたま)ぞ
  • 世を思い嘆きいさいつまた奮いむら雲の光はわれに勝速日して
  • 世の仕組 国のみ親の 命もて 勝速日立つ 天の浮橋

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