古事記研究 (10)
9. 蚕と五つの穀物誕生
高天原も葦原の中つ国はまた明るさは戻りましたが、須佐之男の命をこのまま野放しにするわけにはいきません。 八百万の神々は相談して、須佐之男の命に贖罪の品を山ほど出させ、髭と手足の爪を切り清めてお祓いをしたうえで、高天原から追放しました。
高天原から追放された須佐之男の命は道すがら、大気都比売(おおけつひめ)の神のところに立ち寄り、食べ物を求めました。
大気都比売は、鼻や口また尻の穴からいろいろな美味い食べ物を取り出しそれを調理して出していました。 その様子を見ていた須佐之男の命は、なんという汚い物を食べさせるのだと思い、すぐさま大宜津比売の神を殺してしまいました。
殺された大宜津比売の神の身体からは様々な物が生まれました。頭には蚕が生まれ、両方の目には稲の種ができ、両方の耳には粟ができ、鼻には小豆ができ、女陰には麦ができ、尻からは大豆が生まれました。
そこで、神産巣日の神がこれらの穀物を取りそれぞれ種にされました。これが養蚕と農業の始まりとなりました。
【追記】
■ 大宜津比売の神の身体から生まれたもの
- 頭 → 蚕
- 両目 → 稲
- 両耳 → 粟
- 鼻 → 小豆
- 女陰 → 麦
- 尻 → 大豆
■ 須佐之男の命の粗暴について
- 須佐之男の命は粗暴な面が強調されますが、後に「八俣の大蛇退治」で英雄として描かれます。
- 古事記では、神々も一面的ではなく、成長や変化を遂げる存在として描かれています。