合気道基礎知識 1. 礼
合気道における「礼」は、技の前後に行う形式ではなく、心の在り方そのものです。このページでは、礼の意味と基本的な作法についてまとめています。
礼に始まり、礼に終わる
合気道は日本の現代武道です。武道である以上、心身の鍛練とともに人間性を練磨する「行」であり、日本の伝統的精神性の具体的な現れである礼節を重んじます。
武道ではよく「礼に始まり、礼に終わる」と言います。道場に入った瞬間から礼は始まり、稽古が終わって道場を出る瞬間まで礼は続きます。 さらに言えば道場に入る際の履物の脱ぎ方置き方にも礼は及んでいます。道を学び、道を大切にしようとすれば、自然と頭は下がるものです。
立ち方、座り方
立ち方、座り方は礼法の流派によっても異なるようです。古来「左座右起(サザウキ)」と言い、座る時は左足から座り、立つ時は右足から立ちます。武士は刀を差していました。 座った状態から刀を抜くには、右足を立てる必要があります。また、「陰の足から引け」の教えもあります。 これは、上座から見えない方の足を引いて座る、立つ方法です。作法の流派によっても色々なやり方があるようです。
合気道では、立ち方、座り方について事細かく言われることはあまりありません。
私は、「技を極める 合気道上達BOOK」(植芝守央道主著、成美堂出版)104ページに書かれている方法をお勧めしています。
■ 立つ時 正座 → 跪座 → 左膝を前に進めて立てる → 立膝の状態から一気に立ち上がる
■ 座る時 右膝を軽く後ろに引く → 右膝を畳に着けた後、左膝も畳に着ける → 跪座 →正座
手の着き方
手の着き方も古来、「右手温存」、「左進右退」と言い、左手・右手の順で畳に着きます。これも右手がすぐに刀に行くためのものです。 相手に対して失礼であるという見方もありますが、稽古相手に敬意を払いながらも、礼の段階から神経を研ぎ澄ます、という礼法観念から来ていると思います。
あくまで私見ですが、刀を捨てた無刀の合気道では、どちらの手から先に畳に着いても、両手同時に着いても構わないのではないかと思っています。 但し、畳にバンッと音を立てることなく静かに手を畳に着きます。
腰から折る
座礼、立礼ともに、背中と首を丸めないよう、腰から折るようにして体を倒します。
「礼」は、「心」の現われです。決して虚礼に流れてはいけません。