合気道 八千代円明会|心に残る教え 12. 無刀の位

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心に残る教え 12. 無刀の位

藤田昌武師範の教えです。
藤田先生はよく「無刀の位」という言葉を使われ、「合気道は『無刀の位』から出発する」と言われていました。

「無刀の位」とは何か

無刀(むとう)とは文字どおり「刀を持たない」「刀を使わない」という意味で、位(くらい)とは「段階」や「レベル」を指します。 藤田先生は、武器取りの際に使う剣や杖も、あくまで体の延長として捌けばよいと教えてくださいました。

一方で、攻撃する側の心得としては、剣や杖の扱い方を最低限知っていれば十分だと言われていました。 剣を深く学びたければ剣の道場へ、杖を学びたければ杖の道場へ行けばよい。しかし、それは合気道の稽古を十分に積んだ上での話。 他の稽古をする時間があるなら、もっと合気道の稽古をしなさいと言われました。

「無刀の位」という言葉の背景

この「無刀の位」という言葉は開祖の直接の言葉ではなく、長年開祖の身近でお世話をされていた藤田先生が、開祖の教えから導き出されたものだそうです。

剣の柳生新陰流においても、最高の境地は刀を使わない「無刀」であると言われているそうです。 合気道は殺し合いの技術ではなく、「神武不殺(破るなかれ、殺すなかれ)」を基本とする武道であると、藤田先生は説明されていました。

開祖の最後の内弟子の一人である藤田先生たちは、開祖から剣や杖の稽古を直接習ってはいなかったそうです。 むしろ、当時の先輩たちと組剣などをしていると、開祖から大変叱られたといいます。 その真意は開祖に直接伺うしかありませんが、誰も尋ねることはなかったようです。

合気道は「無刀の位」から出発する

藤田先生は、開祖の日頃のお言葉から、合気道は「神武不殺」を体現する達人の技をめざすものであり、ゆえに合気道は「無刀の位」であると理解されたのだそうです。

さらに先生は、「合気道は全くの初心者であっても、この最高レベルである『無刀の位』を初日から稽古する。 つまり、合気道はいきなり『無刀の位』から出発するのだから難しい。しかし、それこそが合気道なのだ」と教えてくださいました。


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