「矢筈の手」の教え
故藤田昌武師範の教えです。
藤田先生は、「相手を制する時の手は、握ってはいけない、広げてもいけない、矢筈の手だよ。」とよくおっしゃっていました。
矢筈とは
矢筈とは、矢の一端で弦に当たる部分です。
矢筈の手の形
人差し指から小指を揃え、大きなグラスを持つようにし、手首側に少ししわが寄るようにすると、丁度「矢筈」の形になります。藤田先生は、これを「矢筈の手」と表現されます。
技の中での矢筈の手
先生は、「矢筈の手は、合気道の技では大変重要である。相手の体と自分との接点である手は、握るのではなく、矢筈の手で相手に接し、相手を導くのだ」と言われます。
第一教などで相手の肘を制する手、入身投げで相手の首を制する手、回転投げで相手の首・手首を制する手等は、いずれも「矢筈の手」で行うのが良いと教わっています。
■ 第一教などで相手の肘を制する手
■ 回転投げで相手の首・手首を制する手
藤田先生は、この「矢筈の手」の説明をされる時、最後に必ず言われることがあります。
「弓に矢をつがえようとしたら、筈が無い。その時思わず口から出る『えっ、そんな筈が無い』というのはここから来ている。これ、本当の話だよ。技の途中でも『そんな筈が無い』はダメだよ。矢筈の手でしっかり相手をコントロールするんだよ。」