【20】 二人掛け
多人数掛けの第一段階が二人掛けです。今まで一人を相手にしてきた技が、同時に二人を相手にしても、一人の相手の時と同様に施すことができるかが重要なことです。
そのためには、技の正確さとスピードが求められます。ですがこれは、相手が一人の場合でも言えることです。換言すれば、普段一人の相手に対して、正確にしかもスピードをもって技を施すことができれば、相手が二人になっても大丈夫と言うことです。さらには普段一人の相手と稽古している時にも360度周囲に気を配っていることが大事です。これができていれば、相手が二人になっても容易に対応できると思います。
とは言っても、やはり二人の相手が同時にあるいは次々に攻撃をしてきますので、ちょっとしたコツがあります。頭と体を使いましょう。
先ず頭ですが、二人と思わないことです。技を掛ける瞬間は一人と思うことです。道歌には、「敵多勢我をかこみて攻むるとも一人の敵と思ひたたかえ」とあります。二人取りの場合は、二人を相手にするのではなく、むしろ一人の力をもう一人に向けていけば、1(自分)対2(相手)の関係が、2(自分と自分の味方)対1(相手)となり、一人を相手にする時よりはもっと簡単に思え、楽しくなります。
次に体ですが、前後左右上下を自在に使いましょう。二人が左右から同時に攻撃してきた時は、その真ん中には入らず、必ずどちらかの外に出るように動くと良いです。突進してくる相手には左右への捌きだけではなく、上下の動きも取り入れましょう。また、間合いが狭い時は入身が有効です。いずれにしてもいい加減な動きでは相手に捕まってしまいます。普段通りのしっかりした体捌きをしましょう。技は体捌きの延長で自ずから出てくるものと思います。
心構え | 正面打ち | 呼吸法 | 十字絡み |
着装 | 横面打ち | 第一教 | 腰投げ |
礼 | 突き | 第二教 | 合気落とし |
立ち方・座り方 | 交差取り | 第三教 | 円明投げ |
目・手・足・臍 | 片手取り | 第四教 | 自由技 |
体捌き | 両手取り | 第五教 | 短刀取り |
受け身 | 諸手取り | 入身投げ | 太刀取り |
膝行 | 両肩取り | 四方投げ | 杖取り |
残心 | 後ろ取り | 小手返し | 多人数掛け |
準備・整理運動 | 肩取り正面打ち | 天地投げ | 立ち技 |
単独・相対動作 | 武器の扱い | 回転投げ | 座り技 |
稽古上の安全 | 多人数 | 呼吸投げ | 半身半立ち技 |