【23】 座技呼吸法の受け

合気道では呼吸力の養成がとても大切ですので、座技呼吸法は毎回稽古します。当然、受けも沢山取ります。座技呼吸法の受けはそれほど難しくはありません。何も意識しなくてもそれなりに受けが取れます。しかし、ここでしっかりとした受けを取るのと、いい加減な受けを取っているのでは、数年の間で随分と違いが出ると思います。座技呼吸法は呼吸力の養成法ですが、受けも呼吸力を感じ取る稽古法だと思います。


取りの動きを体全体で感じ取り、取りの力に頑張って抵抗するのではなく、かといって勝手な受けを取るのでもなく、丁度良い受けを取るというのは結構難しいものです。一つの確認法ですが、取りの両手を握った手の圧力を最初から最後まで(受けを取ってそして起きて来るまで)同じ力で持っていることができるかです。途中で力を入れるのではなく、また途中で握りが緩むでもない。最初に強く握ったら最後まで強く握っている。最初に優しく握ったら、最後まで優しく握っている。これは簡単そうですが、実はかなり難しいことです。


座技呼吸法の受けの取り方について私が気をつけているポイントがいくつかあります。先ず一つは、頭を打たないことです。「えっ、座技呼吸法で頭を打つ?」と言われる人がいると思いますが、一瞬の間にすごい呼吸力を発揮されるとものすごい衝撃が体に走り、油断していると危ないです。座技呼吸法で決して頭を打たない方法を身につけると他の技での受けにも必ず役に立ち、頭を打つと言う危険を回避できるようになります。


次は早く戻ることです。道主の受けを取られている先生方の受けは、とにかく起きてくるのが速いですが、座技呼吸法の受けも本当に元の位置に戻るのが速いです。ゆっくり戻ってくるのと速く戻るでは、その時の反復稽古の回数では数回かもしれませんが、毎回の稽古ですから、積み重ねていくと相当な回数の違いになります。沢山稽古をすればそれだけ上手になりますから、この数回の違いは大きな違いとなります。


座技呼吸法1 上に上がっていく手を見ます。目だけではなく、臍と膝頭でも見ていきます。こうして倒れていくと頭と打つことはありません。写真の場合、受けを取る時、取りの力は、左肩から右腰に逃げて行きます。そして、最後まで取りの左手を見ていくと、畳と頭には充分の隙間ができます。
座技呼吸法2 この写真は、呼吸法を施され、崩れて行く時の写真でしょうか、あるいは戻ってくる時の写真でしょうか?実は戻ってくる時の写真です。左足(取りが押さえた時の状態では下側の足)を曲げずに伸ばして起き、座る寸前に膝を曲げると速く起きて来られます。





 心構え  正面打ち  呼吸法  十字絡み
 着装  横面打ち  第一教  腰投げ
 礼  突き  第二教  合気落とし
 立ち方・座り方  交差取り  第三教  円明投げ
 目・手・足・臍  片手取り  第四教  自由技
 体捌き  両手取り  第五教  短刀取り
 受け身  諸手取り  入身投げ  太刀取り
 膝行  両肩取り  四方投げ  杖取り
 残心  後ろ取り  小手返し  多人数掛け
 準備・整理運動  肩取り正面打ち  天地投げ  立ち技
 単独・相対動作  武器の扱い  回転投げ  座り技
 稽古上の安全  多人数  呼吸投げ  半身半立ち技

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