【38】 合気落とし

合気落としの「合気」を「呼吸力」と置き換えれば、合気落としは、「呼吸力落とし」となります。勿論これは造語ですので、そのような技の名称はありません。しかし、私のイメージにはぴったりの造語です。入身と呼吸力と一寸したタイミングで大きな相手でも簡単に投げる事ができます。

合気落とし1 先ずは受けの側面にしっかり入身し、相手と密着することです。この時に相手の体と自分の体が離れていてはこの技は難しくなります。
合気落とし2 自分の左大腿部の外側を相手の右大腿部の裏側に付け、自分の体重を相手の右足に掛けて行きます。すると相手の重心は左足側に移動し、左に崩れて行きます。
合気落とし3 このまま、さらに自分の体重を相手の右足に掛けて行くと、手を使わなくても相手は倒れていきます。相手が十分に崩れ、倒れる寸前(=重心が左足の外に出る瞬間)に両手で相手の足を払います。
合気落とし4 両足を持ちあげるのではなく、片足(写真の場合は相手の左足)を払うイメージです。この時に相手をを自分の前に放り投げると、相手は受け身を取るのが大変難しく危険な技となります。自分の後ろに投げるようにします。

この技は受け身が上手にできるようになった頃に教わります。しかし、最初はとても怖い感じがすると思います。そこで稽古の過程において、受けの受け身に若干手助けをしてあげると受けも受け身が楽にできるようになる方法があります。


上の写真のように、自分の右肩を受けに持たせてあげるのです。こうすれば受けは一気に落ちることなく、枯れ葉が舞い落ちるように畳に落ちます。合気道は一人で行うものではなく、相手と切磋琢磨して上手になっていくものです。また、受けも最初は怖いと思っていても、稽古を続けて行く内に、だんだん誰に投げられても平気となってくると、合気道がさらに楽しくなると思います。




 心構え  正面打ち  呼吸法  十字絡み
 着装  横面打ち  第一教  腰投げ
 礼  突き  第二教  合気落とし
 立ち方・座り方  交差取り  第三教  円明投げ
 目・手・足・臍  片手取り  第四教  自由技
 体捌き  両手取り  第五教  短刀取り
 受け身  諸手取り  入身投げ  太刀取り
 膝行  両肩取り  四方投げ  杖取り
 残心  後ろ取り  小手返し  多人数掛け
 準備・整理運動  肩取り正面打ち  天地投げ  立ち技
 単独・相対動作  武器の扱い  回転投げ  座り技
 稽古上の安全  多人数  呼吸投げ  半身半立ち技

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