【24】 円の動きと自然の流れ
合気道は開祖が作られましたが、それを世に広められたのは、まぎれもなく吉祥丸二代道主です。開祖のお話は非常に難しく、今の私達にはなかなか理解しにくところがあります。それでも何とか理解するように努めるべきではありますが、吉祥丸二代道主は、開祖のお話を私達に分かり易く解説してくださっています。
「合気道探求」第1号で、吉祥丸二代道主は「合気道」の端的明快な定義作りに苦労された結果、「合気道」についての説明を「円の動き」と「中心の移動」による「自然の流れ」と説明されています。概略をご紹介します。詳細は是非「合気道探求」を買い求め全文をお読みください。
【中心の移動と円の動き】
「合気道の動き」は「一つの円」です。平面で見れば「円」であり、立体で見れば「球」であります。マルチストロボの連続写真で真上から撮られた合気道の動きは、まさに「円」です。
そして「円」を正しく描くには、しっかりとした中心がなければまりません。コンパスの針が必要です。地球も太陽も宇宙空間の遊星はみな中心軸によって自転しており、「宇宙の円転」が何億年も前から行われているのは、「中心の確立」があってのことであります。人間を始め生きとし生きるもの、無機物である水や土や金属鉱物その他一切が存在し得ている根拠があり、それは「自然の流れ」です。
合気道は「円の動き」と「中心の移動」による「自然の流れ」そのものであり、「自然の流れ」と一体化することを至上の境地とする武道であると説明されています。
★植芝吉祥丸二代道主の演武(「激突合気道」オープニング)
真上から撮られた動画はほとんどありませんが、「激突合気道」と言う映画の冒頭に少しだけ上から撮られた映像があります。この映画は1975年に上映されました。余談ではありますが、私は学生時代に丁度全日本演武大会に出場するため、大学のある高崎から東京へ向かう夜、同期の合気道部員達とオールナイトでこの映画を鑑賞し、その後、始発の鈍行電車で上野に向かいました。懐かしい記憶が昨日の事のようによみがえってきました。