【26】 鳥船と振魂

天(あめ)の鳥船(とりふね)の行、振魂(ふりたま)の行は、ともに神道の禊のための行法です。合気道では、天の鳥船の行を一時期、舟こぎ運動とも呼んでいましたが、最近では鳥船に戻っています。因みに、天の鳥船とは、伊耶那岐の命と伊耶那美の命が生まれた神様の名前で、古事記にもよく出てきます。


規範 合気道 基本編の「合気道を知るためのQ&A」と、合気道探求第5号に、鳥船と振魂についての解説がありますので、ご紹介します。是非これらの図書を購読されることをお勧めします。
なお、<>書きは私の追記です。


★規範 合気道 基本編 「合気道を知るためのQ&A」
開祖は武道の稽古と共に言霊(ことだま)をはじめ神道霊学を研鑽しました。その中でこの二つ <鳥船と振魂> は神道家の川面凡児(1862~1929)の禊流神伝を参考に取り入れたもののようです。開祖自身が稽古の前にこの行を行うようになったのは戦後のことであったと記憶します。開祖が行っているので周りの弟子も行うようになりました。


さて、その意味するところですが、ミソギとは身を削ぐこと、すなわち心身を清めるということです。あの簡単に見える動作にそのような作用があるとは信じられないかもしれませんが、真剣な修行には必要なものであると体験上、言えるのです。
<規範 合気道 基本編20頁より>
<天之武産塾合氣道様のホームページの阿部醒石師範会見には、もう詳しく書かれています。>



★合気道探求第5号 「合気道の準備運動について」 奥村繁信師範
◎鳥船 <原文は舟こぎ運動となっています>
左足を一歩前に踏み出し、両手を前方に伸ばし、舟を漕ぐ姿勢をとります。 「エイッ」と気合を入れながら、上体を後方に引き、手は水平に胸の辺に引きつけます。 「ホー」と気合をかけて、元の姿勢に戻します。 <手を伸ばした姿勢に戻し、数回繰り返します>
<次に> 右足を一歩前に踏み出し、同じ要領の動作を繰り返します。掛け声が「エッサ」「エッサ」と変わります。
丹田に全力をこめ、全身に気力を充実して、大らかな気分で漕ぐ動作をしますので、上体をあまりまげないで、和合の世界をめがけて、まっしぐらに、漕ぎわたる精神を養成しなければなりません。


◎振魂
足を一歩左右に開いて、直立の姿勢をとり、深呼吸をして、息を吸いながら合掌して、両手を頭上にあげます。
次に、左手を上、右手を下にして十字にくみ、丹田の前にて、上下にはげしく振動します。
精神統一法の一つで、振動は、雑念を去るために、早ければ早いほどよいとされています。
肩の力をぬき、丹田に力をこめ、肛門をしめて、腋の下をあけずに軽くしめ、はげしく上下振動をしますと、次第に眉間に気持ちが集中して、明るくなるのがわかります。



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