古事記研究 【1】

第1章 天地の始まりから須佐之男の命の追放

 1.天地の始まり  6.天照大御神と須佐之男の命

 2.伊耶那岐の命と伊耶那美の命  7.誓約

 3.伊耶那美の命の死と火神への制裁  8.天の岩戸

 4.黄泉の国  9.五つの穀物誕生

 5.伊耶那岐の命の禊 10.八俣の大蛇退治
目次第1章第2章第3章第4章◆古事記「上つ巻」に登場する神々(五十音順)


第1章 天地の始まりから須佐之男の命の追放

1.天地の始まり

混沌の中からやがて天と地が分かれ、後に多くの神々が住まわれることになる天は「高天原(たかあまはら)」と呼ばれました。最初に出現した神は、天を支配される天之御中主の神で、次に高御産巣日の神、神産巣日の神が現れました。一方まだ油のような大地から、宇摩志阿斯訶備比古遅の神と天之常立の神が現れました。この五柱の神々は後に生まれる神々とは区別し、特別な神です。


次に国之常立の神と豊雲野の神が現れ七柱となりましたが、いずれも独神(ひとりがみ)でした。男女一対の神々として最初に現れたのは、宇比地邇の神と須比智邇の神で土地の神です。次に現れた角杙の神と活杙の神は、土地の境界を表す、くいの神です。次は意富斗能地の神と大斗乃弁の神で、門戸を守る神です。次は理想の男性像として於母陀流の神、理想の女性像として阿夜訶志古泥の神が現れました。そして、最後に伊耶那岐の命と女性の伊耶那美の命が現れました。


◆天地の始まりに現れた神々

・天之御中主(あめのみなかぬし)の神
・高御産巣日(たかみむすひ)の神
・神産巣日(かみむすひ)の神
・宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神
・天之常立(あめのとこたち)の神
-以上五神は、全て独神(ひとりがみ)で、特別の天の神です-
・国之常立(くにのとこたち)の神 (独神)
・豊雲野(とよくもの)の神 (独神)
・宇比地邇(うひぢに)の神(男性)、須比智邇(すひぢに)の神(女性)
・角杙(つのぐひ)の神(男性)、活杙(いくぐひ)の神(女性)
・意富斗能地(おほとのぢ)の神(男性)、大斗乃弁(おおとのべ)の神(女性)
・於母陀流(おもだる)の神(男性)、阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神(女性)
・伊耶那岐(いざなき)の命(男性)、伊耶那美(いざなみ)の命(女性)
-以上七神は、神世七代(かみよななよ)と言われます-


★ 道 歌 ★

・美しきこの天地の御姿は主のつくりし一家なりけり
・世の初め降り給ひし武の使命国の守りと君の御声に
・一靈の元の御親御姿は響き光りてぞ生れし言靈



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