古事記研究 【9】

第1章 天地の始まりから須佐之男の命の追放

 1.天地の始まり  6.天照大御神と須佐之男の命

 2.伊耶那岐の命と伊耶那美の命  7.誓約

 3.伊耶那美の命の死と火神への制裁  8.天の岩戸

 4.黄泉の国  9.五つの穀物誕生

 5.伊耶那岐の命の禊 10.八俣の大蛇退治
目次第1章第2章第3章第4章◆古事記「上つ巻」に登場する神々(五十音順)


第1章 天地の始まりから須佐之男の命の追放

9.五つの穀物誕生

高天原も葦原の中つ国はまた明るさは戻りましたが、須佐之男の命をこのまま野放しにするわけにはいきません。八百万の神々は相談して、須佐之男の命に贖罪の品を山ほど出させ、髭と手足の爪を切り清めてお祓いをしたうえで、高天原から追放しました。


高天原から追放された須佐之男の命は道すがら、大気都比売の神のところに立ち寄り、食べ物を求めました。大気都比売は、鼻や口また尻の穴からいろいろな美味い食べ物を取り出しそれを調理して出していました。その様子を見ていた須佐之男の命は、なんという汚い物を食べさせるのだと思い、すぐさま大宜津比売の神を殺してしまいました。


殺された大宜津比売の神の身体からは様々な物が生まれました。頭には蚕が生まれ、両方の目には稲の種ができ、両方の耳には粟ができ、鼻には小豆ができ、女陰には麦ができ、尻からは大豆が生まれました。そこで、神産巣日の神がこれらの穀物を取りそれぞれ種にされました。これが養蚕と農業の始まりとなりました。


◆五つの穀物誕生に登場する神

・須佐之男(すさのを)の命
・大気都比売(おおけつひめ)の神
・神産巣日(かみむすひ)の神
<高天原から追放される>
<汚い食べ物を出したとされ須佐之男の命に殺される>
<三番目に現れた特別な神>



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