古事記研究 【12】
第2章 大国主の神の試練と国造り | ||
11.因幡の白兎 | 14.理想の女性を求めて | |
12.八十神達の凶行 | 15.海から来た小さな神 | |
13.根の堅州国での試練 | 16.謎の光る神の出現 | |
目次| 第1章| 第2章| 第3章| 第4章| ◆古事記「上つ巻」に登場する神々(五十音順) |
第2章 大国主の神の試練と国造り
12.八十神達の凶行
穴牟遅の神(=大国主の神)の兄弟である八十神達は、伯岐の国の手間の山のふもとに着いた時、大穴牟遅の神に「これから超える手間の山に赤い猪がいる。私達が上から一緒に追うから、お前は下で捕まえろ」と言いました。八十神達は、猪に似た大きな石を火で焼いて上から転がし落としました。大穴牟遅の神は、赤い猪と思い、下で受け止めようとした瞬間、たちまちその石に焼きつかれて死んでしまいました。
大穴牟遅の神の母の神である刺国若比売が泣き悲しんで天に上り、神産巣日の神に息子を生き返えらせてくださいと祈りました。神産巣日の神は、すぐに貝比売と蛤貝比売に命じ、大穴牟遅の神を蘇生させました。しかし、八十神達は、また大穴牟遅の神を欺いて山に連れて入って、大きな樹を切り伏せてくさびを打ち込んでおいて、大穴牟遅の神をその割れ目に入らせたとたんに、そのくさびを引きぬいて殺してしまいました。この時も母の神である刺国若比売は、また大穴牟遅の神を生き返らせました。そして、「このままではお前の兄弟の八十神達は、またお前を殺すだろうから、木国(きのくに)の大屋毘古の神のところへ逃げるように」と言われました。
八十神達が追ってきて、矢で大穴牟遅の神を射殺そうとした時、大屋毘古の神は、木の俣からくぐりぬけ逃がしながら、「根の堅州国(ねのかたすくに)に逃げなさい。須佐之男の命がきっと守ってくれるであろう」と言われました。
◆八十神達の凶行に登場する神
・大国主(おおくにぬし)の神 ・刺国若比売(さしくにわかひめ) ・神産巣日(かみむすひ)の神 ・貝比売(きさがひひめ) ・蛤貝比売(うむがひひめ) ・大屋毘古の神(おおやびこ) |
<大穴牟遅(おおあなむぢ)の神と呼ばれる> <大国主の神の母> <天地のはじめに現れた三番目の神> <神産巣日の神が遣わし、大国主の神を死から甦らせる> <同上> <二度目の死から蘇生した大国主の神を根の堅州国へ逃がす> |
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