古事記研究 【20】

第3章 地上の平定と天孫降臨

17.復命しない神々と末路 21.地上の平定と国譲り

18.建御雷之男の神の派遣 22.天孫降臨

19.事代主の神の服従 23.嫁選びの過ちと嫁の出産

20.建御名方の神との力比べ
目次第1章第2章第3章第4章◆古事記「上つ巻」に登場する神々(五十音順)


第3章 地上の平定と天孫降臨

20.建御名方の神との力比べ

建御雷之男の神は、大国主の神に「今、あなたの子の事代主の神は異論がないと言いましたが、他に意見を聞く子がいるか」と尋ねました。大国主の神は「もう一人、私の子の建御名方の神がおります。他にはもうおりません」と答えました。こう言う間にその建御名方の神が、千人がかりでひく大岩を手先で転がしながら、「私の国に来てヒソヒソ話をしているのは誰だ。力比べをしようではないか。先ず先に私があなたの手を掴むけど良いか」と言いました。


建御雷之男の神は建御名方の神に手を掴ませると、自分の手を氷柱に変え、次に剣の刃に変えました。建御名方の神は驚いて退きました。今度は建御雷之男の神が建御名方の神の手を掴んだとたん、若い葦を取るようにいともたやすく掴み投げ放ってしまわれました。建御名方の神は驚いて逃げて行きました。建御雷之男の神は後を追いかけ、信濃の国の諏訪の湖で追いつき、建御名方神を殺そうとしました。建御名方の神は「恐れいりました。私を殺さないでください。この諏訪の地以外他の所には行きません。父の大国主の神の言うことにも背きません。事代主の神と同じくこの葦原の中つ国は、天つ神の御子にお譲りいたします」と言われました。


◆建御名方の神との力比べに登場する神

・建御雷之男(たけみかづちのを)の神
・建御名方(たけみなかた)の神
<天つ国から葦原の中つ国の平定に遣わされる>
<大国主の神の子>


【追:この力比べを「手乞い」と言います。注目すべきは「手を掴ませる」という表現です。手は掴まれるものではなく、掴ませるものなのです。】



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