第2章 大国主の神の試練と国造り
2. 八十神達の凶行
穴牟遅の神(=大国主の神)の兄弟である八十神達は、伯伎(ははき)の国の手間の山のふもとに着いた時、大穴牟遅の神に「これから超える手間の山に赤い猪がいる。 私達が上から一緒に追うから、お前は下で捕まえろ」と言いました。
八十神達は、猪に似た大きな石を火で焼いて上から転がし落としました。 大穴牟遅の神は、赤い猪と思い、下で受け止めようとした瞬間、たちまちその石に焼きつかれて死んでしまいました。
大穴牟遅の神の母の神である刺国若比売(さしくにわかひめ)が泣き悲しんで天に上り、神産巣日(かみむすひ)の神に息子を生き返らせてくださいと祈りました。 神産巣日の神は、すぐに貝比売(きさがひひめ)と蛤貝比売(うむがひひめ)に命じ、大穴牟遅の神を蘇生させました。
しかし、八十神達は、また大穴牟遅の神を欺いて山に連れて入って、大きな樹を切り伏せてくさびを打ち込んでおいて、 大穴牟遅の神をその割れ目に入らせたとたんに、そのくさびを引きぬいて殺してしまいました。
この時も母の神である刺国若比売は、また大穴牟遅の神を生き返らせました。 そして、「このままではお前の兄弟の八十神達は、またお前を殺すだろうから、木国(きのくに)の大屋毘古(おおやびこ)の神のところへ逃げるように」と言われました。
八十神達が追ってきて、矢で大穴牟遅の神を射殺そうとした時、大屋毘古の神は、木の俣からくぐりぬけ逃がしながら、 「根の堅州国(ねのかたすくに)に逃げなさい。須佐之男の命がきっと守ってくれるであろう」と言われました。
【追記】
- 大国主の神が何度も立ち上がる姿は、合気道における「不屈」、「和合」の精神と重なります。