第3章 地上の平定と天孫降臨
5. 地上の平定と国譲り
建御雷之男の神は、大国主の神のところへ戻ってきて「お前の子の事代主の神と建御名方の神は、『天つ神の御子の仰せのとおりにします』と言うが、お前の意志はどうか。」 と問いただしました。
大国主の神は「私は子たちの言うとおりにします。この葦原の中つ国は、仰せのとおりに全部お譲りいたします。」と言われました。
ですが、私の住むところだけは、天つ神の御子が引き継がれる立派なご住居のように、岩の根にしっかりと宮柱を立て、高天原に届くような立派な千木のある住まいを作ってください。 私は遠い隅の方へ隠れて控えさせていただきます。また、私の子の百八十神は、事代主の神がまとめるようにしていただければ、背く神はないでしょう。」と言われました。
大国主の神は、出雲の国の多芸志の小浜に立派な隠れ住む場所を建ててもらいました。
建御雷之男の神は、高天原に戻り、葦原の中つ国を平定し、御子への国譲りの準備が整ったことを復命しました。
【追記】
- 大国主の神は国を譲る代わりに、自分の祀られる場所を求めました。これが現在の出雲大社の起源といわれています。
- 多芸志の小浜は、現在の島根県出雲市にあるとされます。
- 「百八十神」は大国主の神の子孫の総称で、出雲の神々の繁栄を象徴します。
- 大国主の神が争わずに国を譲る姿は、合気道の「和合」の精神と深く響き合います。